何が変わった!?〜デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領が発表されました
- 2026年04月16日
- 中小機構 中小企業支援アドバイザー 村上知也
- デジタル化・AI導入補助金

IT導入補助金は2026年から、「デジタル化・AI導入補助金」と名称変更されました。今回は、この内の「通常枠」に関して制度の概要とともに、どのような変更があったのかをまとめてみたいと思います。
通常枠の公募要領が発表されています。
2026年3月10日の中小企業庁のサイトにて、「デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開しました」と発表されています。
通常枠の公募要領は、補助金サイトの資料ダウンロードページからダウンロードできます。
https://it-shien.smrj.go.jp/download/
通常枠の1次公募のスケジュールは以下となっています。
【開始日】2026年3月30日(月)10:00~
【締切日】2026年5月12日(火)17:00
【交付決定日】2026年6月18日(木)(予定)
デジタル化・AI導入補助金2026の制度の概要
通常枠の補助額や補助率、補助対象経費は以下となっています。
事業の仕組みは以下の図のようになっており、中小事業者や小規模事業者等は、IT導入支援事業者と一緒に申請を進めることになります。そのため、まずはどんな分野のITツールを使うのか、どのIT導入支援事業者のツールを選ぶのかを決めてから、申請作業がスタートとなります。
主な申請要件は以下のようになっています。詳細は公募要領をご確認下さい。
・日本国内で法人登記され、事業を営んでいること。日本国内に本社及び事業の実施場所を有すること。
・SECURITY ACTIONの宣言を行うこと
・地域別最低賃金以上であること
・1年後に労働生産性を3パーセント以上向上させる3年間の事業計画を策定し、実行すること
また、主な審査項目は以下のとおりです。
2026年は何が変更されたか?
2025年(IT導入補助金2025)から2026年(デジタル化・AI導入補助金2026)にかけての「通常枠」の主な変化内容は以下の表の通りです。
それぞれ、具体的に説明します。
1.事業名称と「ITツール」の定義の変更
まず、「IT導入補助金2025」から「デジタル化・AI導入補助金2026」へと、事業名称そのものが変更されました。近年、経済産業省の資料では「IT」という言葉に代わり「デジタル化」という表現が多用される傾向にあり、今回の名称変更もその流れに沿ったものと考えられます。
また、新たに「AI」が事業名に組み込まれました。昨今のAI技術の急速な普及にともない、今回事前登録されるITツールにおいても、AI関連のソリューションが増加することが予想されます。ただし、後述するように、AI分野が追加されたことによる制度上の大きな変更点は、現時点では見受けられません。
具体的には、補助対象となるITツールのソフトウェアの定義に「AIを含む」という記述が追加され、AIの活用が明示されたという内容に留まっています。
なお、通常枠以外では「複数社連携IT導入枠」が「複数者連携デジタル化・AI導入枠」へと名称変更されています。
2. 給与・賃上げ要件の変更(厳格化)
「IT導入補助金2025」の事業計画における給与の増加目標には「給与支給総額」が用いられていましたが、「デジタル化・AI導入補助金2026」からは「1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)」に変更されました。
さらに、補助金申請額が150万円以上の場合は成長率の目標数値も引き上げられました。「IT導入補助金2025」では年平均成長率「1.5パーセント以上」とされていましたが、「デジタル化・AI導入補助金2026」では「3.0パーセント以上」となっています。これはインフレの影響ですね。日本銀行が定める物価安定の目標2パーセント+1パーセントで、3.0パーセントが目標となります。
なお、過去(2022年〜2025年)にIT導入補助金の交付決定を受けた事業者の場合は「3.5パーセント以上」が求められます。
3. 労働生産性の計算式の明確化と報告項目の変更
2026年の公募要領では、労働生産性の向上の要件について、計算式が「(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間の事業者当たり総労働時間」と明確に定義されました。
生産性向上に係る事業実施効果の報告項目として、2025年において「生産性向上に係る事業実施効果の報告項目」として設定されていた「従業員数」、「就業時間」、「給与支給総額」は、2026年には「事業者当たりの総労働時間」および「1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)」に変更されました。
4. 交付申請に必要な書類の追加(財務状況の確認)
2026年から、交付申請時に事業実態を確認する書類に加え、「財務状況を確認するもの」の提出が新たに必須となりました。
法人の場合は、「直近分の貸借対照表及び損益計算書」が必要となります。
個人事業主の場合は、「所得税の青色申告決算書又は収支内訳書」が必要となります。
5. 加点要件の変更
「地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認」等が削除され、2026年から新たに「中小機構『省力化ナビ』を活用し、生産性向上の知見を確認していること」が加点項目として追加されました。
なお、『省力化ナビ』は、2026年3月26日にサービス開始しています。
6. 効果報告における提出物の追加
2026年の効果報告では、生産性向上に係る数値の報告に加えて、新たに「生産性向上に係る数値目標の根拠となる決算書及び関係書類の提出」が求められるようになりました。
交付申請時にも効果報告時にも、自己申告であったものが、決算書などの根拠資料が追加で求められ、より厳格になったと言えるでしょう。
AIが含まれる影響は?
前述の通り、公募要領内ではあまり影響は大きくないように見えます。
別紙2に「業種・プロセス一覧」にて業種ごと、プロセスごとにITツールの種別が分類されていますが、この内容に大きな変化はありませんでした。ここにAIに関するITツールの分類などが増えるかと思いましたが、現時点では増えていません。AIが含まれる内容は、2025年と変わらず、①顧客対応・販売支援の中の「AIトラッキング機能、AI顧客分析」だけでした。
ただし、AIの搭載有無を含む機能概要については、必要に応じて IT ツール検索を活用し確認することと記載されており、ITツール検索の際には「生成AIを用いた機能を搭載したツール」及び「生成AI以外のAI技術を用いた機能を搭載したツール」を絞り込んで検索できるようになっています。
まとめ
申請をされる事業者の方は、まず、自社の業務課題を明確にしてどの分野のITツールを導入すべきかを検討するところから始めましょう。
「IT戦略ナビwith」で自社のデジタル戦略を検討したり、具体的にデジタル化について相談したい場合は、中小機構の「IT経営サポートセンター」をご活用ください。またITツールの検討や導入事例を確認したい場合には「ここからアプリ」をご利用ください。
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