中小企業でも始められる!BIM/CIM 国土交通省の動向と導入実践ガイド
- 2026年06月01日
- 中小機構 中小企業アドバイザー(経営支援) 鬼澤健八
- 設計(建設業)

BIM/CIMは、建築・土木分野において3次元モデルを活用し、設計・施工・維持管理までの情報を一元的に管理する手法です。
BIM/CIMソフトは普及段階にありますが、国土交通省では、建築確認申請において、2026年春から「BIM図面審査」に着手することでBIM活用の普及を後押しすることを目指しています。
今後は3次元モデルの作成・活用が義務付けられることから、公共事業をはじめ建築・土木業界においてもBIM/CIM対応への需要増加が予想されます。
BIM/CIMを活用できる体制づくりを推進しましょう。
1.国土交通省におけるBIM/CIMの取り組み
国土交通省では、建設業界の生産性向上と働き方改革を目的に、BIM/CIMの活用を積極的に推進しています。2023年度にBIM/CIM原則適用が開始され、設計から施工、維持管理までの各段階で3次元モデルを活用した情報連携が求められるようになります。
1) 人手不足・高齢化・若手離職の課題への対応
建設業界では慢性的な人手不足や高齢化、若手技術者の離職が課題となっています。BIM/CIMの導入により、作業の自動化や遠隔対応が可能となり、現場の負担軽減や業務効率化が期待されます。これにより、働き方改革や魅力ある職場づくりにも貢献します。
2) 建築BIMの普及に向けた取組 (確認申請、横の連携、縦の連携)
国土交通省は、建築確認申請におけるBIM図面の活用を推進するほか、設計・施工・維持管理の各フェーズ間での情報連携(縦の連携)や、発注者・受注者間の協働(横の連携)を強化しています。これにより、業務の透明性と効率性が向上し、ミスや手戻りの削減にもつながります。
3) BIMの共通ファイルフォーマット「IFC」
BIM/CIMでは、異なるソフトウェア間でも情報を共有できるよう、国際標準のファイル形式「IFC(Industry Foundation Classes)」が採用されています。IFCに準拠することで、設計・施工・維持管理の各段階でのデータ連携が円滑に行えるようになります。
4) 2026年春から建築確認申請において『BIM図面審査』が開始
2026年春からは、建築確認申請においてBIM図面による審査が本格的に開始される予定です。これにより、図面の正確性や整合性の向上が期待され、審査の効率化にもつながります。中小企業にとっても、BIM対応が今後の業務に不可欠となるでしょう。また、2029年春には属性情報も審査に活用する『BIMデータ審査』がスタートします。
2.中小企業でも導入できる理由
BIM/CIMは大企業向けの技術と思われがちですが、近年では中小企業でも導入しやすい環境が整いつつあります。サブスクリプション型のソフトウェアや補助金制度、無償ツールの活用により、初期投資や運用負担を抑えながら導入を進めることが可能です。
1) サブスク型BIM/CIMの登場で初期投資が軽減
従来のBIMソフトは高額なライセンス費用が課題でしたが、現在では月額性のサブスクリプション型サービスが登場し、初期費用を抑えて導入できるようになっています。これにより、必要な機能を必要な期間だけ利用する柔軟な運用が可能です。
費用は、建築の総合設計タイプで、1年当たり20万~40万円台です。必要な時だけに利用できる日数単位の従量課金制の製品もあります。
2) BIM導入を後押しする補助金
国土交通省のDX推進の一環として、中小事業者の建築BIM活用を支援する施策が続いています。2022年度~2024年度には「建築BIM加速化事業」という事業がありました。2025年度は、名称と内容が一部変更され、「建築GX・DX推進事業」として継続されています。2025年度の受付は9月で終了しましたが、国土交通省は例年、BIM関連の補助事業を継続・拡充しているため、2026年度(令和8年度)以降も同様の事業が実施される可能性が高いです。
3) 2025年度「建築GX・DX推進事業」の内容(BIM活用型の内容)
・元請事業者等(設計事務所・ゼネコン等)が代表となって、2社以上の下請事業者と建築BIM活用の取り組みが対象
・対象経費: BIM導入費(ソフトウェアライセンス等)、BIMコーディネーター、BIMモデラー人件費(3Dモデル作成・情報付与)、BIM講習費
・補助率: 対象経費の最大2分の1
・補助上限: 設計費最大3,500万円、工事費最大5,500万円(延べ床面積30,000㎡以上の場合)
元情報 https://gxdx.jp/data/outline/05outline.pdf
4) 無償ビューワーを使って、図面のBIM/CIM環境を整備
BIM/CIMの導入にあたっては、まず図面の閲覧環境を整えることが重要です。無償で利用できるBIMビューワーを活用することで、3Dモデルの確認や情報共有が可能になります。これにより、社内外の関係者とのコミュニケーションが円滑になります。
下記に無償ビューワーの一例を記載します。(2025年11月調査)
Autodesk Viewer https://viewer.autodesk.com/
Linx V6 ビューア https://www.daitec.jp/catalog/linx/linx_viewer.html